プレ・プレスリリースされていたTIDALによるMQA配信が始まりました。三大メジャーレーベルの一つ、ワーナーが数万タイトルを準備し今春リリース予定とのStereophile誌の
記事(MQA and Warner: the Real Scoop By Jim Austin • Posted: Oct 29, 2016)に接していましたので、今回の若干早めのランチはCES2017にプロモーションを合わせてきた感じでしょうか。また
公式ウェブサイトではMQAは30,000Tracks超と記載され、他のレーベルと併せて30,000曲+αという規模のカタログビューにはビッグネームのメジャータイトルが列記されています。
MQA対応の詳細については、CD音質相当(16bit/44.1kHz)の転送レートのTIDAL HiFiがTIDAL MASTERSとしてアップグレードしたようです。レゾリューションは24bit/96kHz相当との数字が発表されています。公式アナウンスはありませんが、先述のStereophile誌の記事から想像するに、ワーナーはアナログマスターからのデジタル化のアクションの一環でもあるようなので、単なるコンバートではなくMQAの意義でもある、より高品位なサービス内容なのかもしれません。付随的情報はTIDALのリリースを待つか、Stereophile誌の記事をご参考下さい。
また機能面ではPhile-webの
記事(TIDAL、ハイレゾ相当音質での音楽ストリーミングを開始
。MQA 96kHz/24bitにて 編集部:小澤貴信 2017年01月06日)にあるようにソフトウェアデコードとハードウェアデコードの切替機能が実装されています。これは拙稿でも
取り挙げたComputerAudiophileの
記事(A Comprehensive Q&A With MQA's Bob Stuart
by
The Computer Audiophile Published on 04-07-2016 09:16)においてMQAのボブ・スチュアート氏がソフトウェアデコードが可能と述べていたことが有言実行されたことになります。ただ音質的にはハードウェアデコードの方が有利ということなので、今後様々なオーディオ環境で比較検証がなされることと思います。
それから今回のMQA対応は自社製ソフトウェア(デスクトップアプリケーション)に限定されましたが、これから随時アップデートしていくようです。TIDALウェブアプリケーション、タブレットアプリケーションは後日利用できるとしていますし、さらに例えばLinn Kazooなど既存のサードパーティ製アプリケーションやネットワークプレーヤーなどのハードウェアデバイス上でもTIDALサービスは利用できることから、他社の方針転換がなければ今回のMQA対応は事実上、広範囲に及ぶものと考えられます。(
Home Audio Playerリスト)
ただし現状において日本ではTIDALは未展開ですので、アプリケーションのダウンロード&インストールはできますが、通常はリージョン規制でTrial版、サービスアカウントの設定、ログインもできません。 日本でのストリーミングサービス展開の時期が待たれます(
サービスサポート国リスト)。そして今日迄にダウンロード配信されているMQAタイトルは国内外のマーケットで数百タイトルと着実に増え続けてはいますが、ワーナーがMQAタイトルのダウンロード配信を開始すれば、MQAは一気に数万タイトルに及ぶものとなり、その時期もいよいよ近いのかもしれません。
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