録音、タグ付け、トラック分割の次はノイズ処理です。
メニューバーの[Cleanup Audio]タブをクリックします。トラック分割されたSide1が表示されています。右側のCorrections (0)にはStart, Endのタイムのみ表示されています。この場所にノイズ処理の情報が後ほど表示されます。
コントロールボタンの赤丸[Scan recording for clicks](録音からクリックのノイズをスキャンする)をクリックします。
クリックノイズをスキャンする設定を行う画面です。
Presets...デフォルトです。
Sensitivity...ノイズ検出の感度を設定します。
Percussion/ Brass protection...パーカッションやブラスの音がクリクノイズとみなされる場合がありますので、その感度を設定します。
Keep exciting repairs (if any)...ノイズ処理をマニュアルで行った場合の記録も残す設定です。
Restore Defaults...デフォルトから設定を変更した場合でも再びデフォルトに再設定するボタンです。
Presetsはデフォルトのほか、Badly damaged Vinyl(損傷の多い盤)、 Classical music on vinyl(クラシック音楽)、 Pops music on Vinyl(ポップス)などあります。それぞれ選択すると先の感度等が変わりますので、お好みの設定を行ってください。
それでは右下の[Scan]を行います。
数秒間で自動ノイズ処理が完了します。完了後は13206のクリックノイズ数のうち11721(箇所)を修正と表示されています。そのうちPercussion & Brassとみなした217+1268は無視したと報告されています。今回はノイズの多い盤を意図的に選びましたので一般的にはもっとノイズが少ないはずです。
右の窓にはクリックノイズを修正した位置(時間とチャンネル)と種類が表示されています。濃い緑色がクリクノイズ、紫色がパーカッション、青色がブラスです。
修正後の波形を拡大しますと、黒色の波形が修正した箇所で緑色の波形が修正後です。曲尾のほぼ無音の箇所のクリックノイズが黒い波形として表示されていることがわかります。この黒い波形は再生しても音(ノイズ)が見事に消えています。
[Scan recording for clicks]をやり直したい場合は右側のウィンドウの歯車マークの[Remove corrections...]をクリックします。
Remove the following corrections...修正をやり直す詳細な設定ができます。例えば後述しますがマニュアル補修を残したりマーカーを残したりしたい場合はチェックを外します。
マニュアル修正を行う場合は、修正箇所をできるだけ拡大、カーソル棒を配置しコントロールボタンの波形に緑の線がついたマークをクリックします。
前後しますが、黄色のマーカーをクリックすればマーキングができます。例えば冒頭の[Cleanup Audio]をタブを選択後、通しで聞いてみて目立つノイズがあればマーキングしておきます。自動ノイズ修正後にそのマーキング箇所にノイズが残っていればマニュアル修正するという感じです。
緑の波形マークをクリックすると薄いブルー色に背景が変化します。カーソルを左右すれば緑の波形がフラットへ近づきます。黒い波形は元波形ですので修正できたことがわかります。
波形が波打つ箇所のわずかなノイズが気になるからとこの作業で平坦にし過ぎるとの逆にノイズのような音になってしまいます。その場合はマニュアル修正をやり直します。
マニュアル修正を個々の箇所でやり直したい場合、マウスを右クリックするとショートカットメニューが表示されますので[Delete Click Repair]を選択します。
このマニュアル修正作業も右側のウィンドウに時間とチャンネル表示されすべてミックストラックに保存されています。
マニュアルでも修正が難しい場合はコントールボタンの緑の斜線[Patch Selection]を使います。マウスのカーソルを左クリックしながら背景を黄色に変えた場所がパッチの適用対象です。
[Patch Selection]は最大1/4秒まで適用されます。まずはデフォルト設定で[Preview]と[Play Original]を聴き比べながら適用します。
Cut, Flat, Boost / APA, AR, FFTとパッチを充てる波形が異なりますので[Preview]で聞き比べてみましょう。
Pacth適用後です。さらにダメージが大きい場合は[Cut and Splice selection]を適用します。
[Cut and Splice selection]...Cut(切って) and Splice(つなぎ合わせる)ですので、音声信号にはあまり使いたくない機能です。使い方次第で1秒、5秒、最長100秒とつなぎ合わせができますので、他の編集で有効に使える場面があるかもしれません。
以上でノイズ処理は終わりです。カーソル棒を冒頭に戻し一度通しでサウンドチェックします。さて次はいよいよファイルを書き出します。
つづきは、
レビュー アナログレコードのデジタル化 - Vinyl Studio - Part4です。
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